悠久の猫回廊

主に世界情勢、歴史などに関した、自分の持ってる少ない知識を晒していきますw中には予測の域を出ないものもあることを理解願いますw

日本が潜水艦受注から外れた裏側

三菱重工も認めていた武器輸出の不経済性】

 私は4月28日のメルマガ第347号で書いた。

 豪州への潜水艦売り込み合戦に敗れた川崎重工の社長が、そもそも武器輸出はペイしない、国策なので政府の方針に従ってやったまでだと、4月27日の記者会見で発言した事は、勇気ある発言だと。

 そうしたら、受注合戦に川崎重工と一緒になって参加していた三菱重工もまた、「とてもじゃないがペイしなかった」と考えていたことを知った。

 きのう5月11日の日刊ゲンダイ(5月12号)が「プロはここを見る 経済ニュースの核心」で書いていた。

 フランス社に一敗地にまみれる形となった三菱重工だが、社内からはむしろ「外れてよかった」として安堵の声さえ漏れていると。

 すなわち、新型潜水艦の建造期間は超長期にわたり、このため毎期の収益への寄与度は大きくない、と大宮英明会長自身が認めているという。

 しかも一度受注するとメンテナンスの責任が生じ、潜水艦が寄港する各地での対応が迫られる。さらに厄介なのが、豪州政府が強く求める地元での雇用創出があり、技術者や職工を一から教育しなければならず、人材関連投資に多大な出費を余儀なくされるという。

 だから今度の豪潜水艦受注合戦の敗北は、「不幸中の幸い」、「負けるが勝ち」だったというのだ。

 武器輸出は日本企業の実態を知らない安倍首相の政治的先走りだったということだ。

 憲法9条違反だなど、と批判するまでもなかったということである(了)